The Hinumanist
本家ブログに収めきれない写真、載せるには長すぎる随筆を紹介していきます。
17:19 03月25日   [金]
半家に降る雨
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 いよいよ今回の旅のハイライト「峠越え」だ。地形図を見ると300m近い標高差を上り下りするようだが、悲しいことに雨が降ってきた。どうして列車での移動中などではなくこういう時に雨にあたるのだろうか。せっかく手作りした地形図が雨でフニャフニャになってごみ同然に成り果ててしまうのは非常に悔しいが、幸いにも帽子をかぶっているので「半家の雨」に降られても私の頭髪に影響が及ぶことはないだろう。
 本格的な山道に差し掛かるまでは放棄された棚田のわきを登っていく。道には栗のイガが無数に散乱しているが、山側は(管理された)栗林になっているようだ。棚田にはススキが広がっていて、途中から「杉の畑」に変身していた。
 ニホンミツバチの養蜂箱と思われるものが見えてきたあたりから本格的な山登りが始まる。これほど歩くのは昨年5月の「お祭」訪問以来となるだろうが、浪人生活を経て体力と筋力がすっかり劣った610には堪える。漠然と「本当にこの道で会っているのか」不安に駆られるのだが、ちゃんと道には杭が打ち付けられており、それを信じて進むこと約30分。植生が変わったあたりで頂上付近に差し掛かる。ここからはさっきまでいた滝の下集落が見える。

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 ここから十川側の「石田山」集落までは一応車でやってこられるようだが誰もいない。しばらくその道を歩いているとき、ふと目の前に入ってきたのは「天空の絶景」とでも言いたくなるような荘厳な景色であった。天空と呼ぶには標高がずいぶん足りないが、いつもの日常とはかけ離れた場所に自分一人だけでいる状態がそう呼ばせるのかもしれず、今回の旅行で最も感動的な場面であった。

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 天気、自分の足の状態、残り時間等を考えるとこちら側でも集落めぐりを続けられる余裕はないと判断し、下山を開始。さっきまでは集落や周りの景色の様子を楽しんでいられたのだが、その余裕も薄れる。ただこのあたりはしいたけの栽培が盛んなようで、びっくりしたことに肉牛の牧場もあった。牧場というともっと開けているイメージがあったのだが、こういう場所でも飼育できるみたいだ。
 このあたりで足の痛さはピークに達する。すねから足の甲へ伸びている筋のあたりが痛く、通常のように歩くことが難しく変な歩き方になってしまう。もちろん時速6kmを誇る(笑)歩行速度も低下してえっちらおっちら進むことになるが、どこまで行っても同じような景色が連続するのでだんだんイライラしてくる。車が使えれば10分もかからないで駅の近くまで出られるんだろうなと車に抜かれるたびに思うわけだが、十川中学校から野球部?の練習の声が聞こえてきたところでようやく終わりが見えてきた。

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 そして学校のそばにある十和温泉に乗り込む。露天風呂はあいにく入れないが、12時の営業開始直後にやってきたこともあり、またシーズンオフの平日ということもあり温泉は貸切状態。ヌルヌルした炭酸泉でこれまでの疲れを幾分か落とせただろう。
 ここまで飲み物は水のみ、食べ物もおにぎり・イナゴの佃煮・厚焼きせんべい・月餅のみでやってきたのだが、予想以上にエネルギーを使ってしまったためか月餅だけでは甘いものが足りない。特に甘い飲み物が飲みたい。¥100でリンゴジュースを購入し、初の食費計上。まあこれくらいはいいのではないか。
 温泉に入ったくらいでは足の状態は良くなるはずもなく、やはり普通に歩けないのだが、駅までは近く待ち時間もあるので、駅横の待合室のようなところでのんびり過ごす。ここも江川崎並みに駅寝しやすそうだが、付近に家が立ち並んでいることもあり、もしかしたら施錠される可能性もある。ここで昼食をとるのだが、持ち込んだおにぎりが底をついてしまったため、「むき甘栗」が主食となる。これは3袋持ち込んだが1食分足りない計算となり、厚焼きせんべいを一緒に食べたとしても量が足りないかもしれず、どこかで食料を買うことになるかもしれない。

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 あとは行きと同じ道を戻るだけだ。
 予土線内ではずっと寝ていたので危うく北宇和島での乗換に失敗しそうになり、宇和島駅へ訪問しそうになる。八幡浜から松山まで特急に乗るが「無賃乗車」は続く。車掌が乗車券の拝見に来たら正直に申告しようと思っていたが確かめられることも無く、また寝ていたせいもあるかもしれないが、気が付いたら松山に到着。まあいっか、ということで多度津行の普通列車に乗るが、この列車内にてようやく「無賃乗車」が解消されることになった。おそらく「どちらまで行かれますか?」と聞かれていたのに、焦った610は「どこから来ましたか?」と勘違いして「十川から・・・」と答えてしまってずいぶんとんちんかんに思われたかもしれないが、とりあえず18切符にサインがついて安心。道中小説が読めないことを悟ったので『ツアラトストラかく語りき』(上巻)に手を出すが、初めから分かるわけないと思って読んでいたので、予想通り分からなくても大してダメージを受けない。

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 そんなこんなで高松に到着したのが22:22。母から融資された\2,000を使ってお土産の購入をし(申し訳ありませんが33R会に持っていくお土産はありません。イナゴの佃煮で我慢してください)、無謀にもジャンボフェリー乗り場まで歩き始める。時間は十分あり、また道案内もあるので間に合うことは分かっているのだが、やはり歩くのはしんどく、この時ほど車を妬んだことはない。途中のコンビニで相当「食品の誘惑」を受けたのだが、これらをすべて断ち切っておにぎりを2つだけ、¥246分を購入。またジャンボフェリー乗り場にて再びリンゴジュースを¥120で購入。
 ジャンボフェリー自体はやや遅れて入船。旅客はリクライニングシートよりもごろ寝のできる和室に向かう傾向が強く、また行列を作っているのは和室思考の人たちだと判断したので待合室で長い間待合室で座っていたのだが、大方この予想は当たっているようでリクライニング室にある特等席を確保できてしまった。讃岐うどんの売店や風呂には一眠りしてから入ろうと、たぶん去年も考えていたはずだが、今年も失敗して4:54の例の「テーマソング」にたたき起こされる。
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