The Hinumanist
本家ブログに収めきれない写真、載せるには長すぎる随筆を紹介していきます。
17:01 03月25日   [金]
此は平家の開きし地か
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ついに江川崎に到着。当然誰もいない待合室で寝る準備をしようとすると「駅寝お断り」の注意書きを発見。これを無視したところでどうってことないのは分かっているが、隣のトイレの様子を見てみると、こちらの方は程よい狭さで鍵もかけられ水道も使え(飲めるかは分からないが)過ごしやすそうだ。待合室は思ったより広くて寒そうなので、今晩の宿はトイレに決定。少々においが気になるのだが耐えられないほどでもなく、この時期ここに来る人も少ないのだからあまり衛生面を気にすることもないだろう。

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いろいろと寝方を考えてみるのだが落ち着かない。銀のシートは確かに体温の放散を防ぐのには便利だが、床から伝わってくる冷たさを遮断することはできない。防寒対策としてトレーナーと上着、ズボンを一枚持ってきたが「寝る」となるとあまり効果的ではなかった。とにかく床からの冷気に耐えられず、途中2度ほど寝られたがすぐ目が覚めてしまい、悶々と過ごすことになる。ケータイは圏外なのでいじることもできず、電波が悪くラジオもほとんど聞き取れず、韓国語や中国語の放送ばかり受信する始末。置かれた状況は一部東北の被災者に通ずる部分があるかもしれないが、この駅寝体験には期限があり、それなりの準備もしたうえでやっているのだから彼らの思いが分かることはできない。しかし「寒さで眠れない」状態とはどういうものかは、去年の須崎でも体験したことがあるし今回の江川崎でも再確認できた次第である。これが何日続くか分からないとなると、私としては非常に辛いことになるであろう。
起床時刻はいつも通り4:30に設定していたので、この時間で一応「起床」し(滞在した痕跡が分からないように)後片付け。ごみ箱に使い捨てカイロの袋などを捨てたのだが、これは許されるであろう。ところでこのトイレは駅に隣接するある施設に付随しているのだが、6時前にその施設の方がやってきて見つかってしまった!私は不審者スタイルを完成させていたこともあり、あまりにも非日常的な場面に相当驚かれたはずだが「鍵を閉めておいてください」とだけ言われたので、駅寝に関しては何も聞かれなかった。同じようなことをしている人に過去何度か遭遇したことがあって慣れているのかもしれない。

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そして気動車にも入れるようになったのでさっさとホームへ向かう。待合室は施錠されることも消灯されることも無いようで、また駅自体は国道から離れたところにあり、車も数台しか通った音が聞こえなかったので駅寝するのには非常に都合の良い場所であることは間違いない。ただ静かすぎて怖いかもしれず、夏は夏でムシとの戦いは避けられないだろう。
江川崎の隣駅が今回の目的地半家であり、乗車時間は6分ほどと短いのだが、当然今回も乗客は1名。以下、発車前の運転士と610との会話―
「昨日は駅で寝たの?」
「はい」
「寒かったでしょう?」
「ええ、かなり寒かったです」
「(笑)」
注目すべきは、駅寝して怒られていないところだ。

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半家に到着時、例の運転士に18切符を見せたがハンコもメモもされることなく下車してしまった。結果として「無賃乗車」になってしまったのだが、実際どうってことないのであろう。駅の周りは去年よりさっぱりとした気がするが、木が伐採されたようだ。そういえばホームにある桜は咲いてないし、四万十川はずいぶん水量も少ない。去年は川に落ちたら死ぬだろうなと思ったのだが、今年はうまくすれば歩いて渡れそうだ。

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いよいよ「集落めぐり」を開始するが、たまにすれ違う登校中の子どもたちはみな「おはようございます」とあいさつをしてくる。私のことがちっとも不審に見えないようだ。

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まず「山ノ神」というところに行くと、斜面沿いの狭い土地は棚田や段々畑として開かれていてその眺めが何とも言えず素晴らしい。特に石垣の石の大きさが不ぞろいで、遠い昔からこの地で生活が営まれていたのだろう。こういうところに訪れる新緑はどんなものなのだろうか。ちなみにこの集落は狭い道のわきに民宿が一軒、さらにその狭い道を進んだどん詰まりに写真の家があるのみなので「限界集落」といえよう。
次に「滝の奥」を目指してどんどん歩いていくのだが、雲行きは怪しい。自宅を発つ前の天気予報はおおむね晴れのち曇りで雨の心配なんてないはずだったのに、四国についてから聞いた予報では雨の可能性もあるとのこと。今年こそは天候に恵まれたと思っていたのに、やはり私は四国との相性が悪いらしい。ところで道中大小さまざまな川のそばを歩くことになるが、多くの川で「魚影」がくっきりと見える。とにかく川魚がたくさんいるようだ。

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 「滝の奥」の手前には「滝の下」集落があり、その間に「白綾の滝」がある。今まで歩いてきた中で唯一の観光スポットらしく案内板が整備されているが、この付近に良さそうな崖を見出す。どうせ行って戻ってくるだけなので重い荷物は滝の下に置いてきたため、石を拾って崖を掘ってみたのだが何も出てこない。しかしながらこんなところにも「先駆者」の跡がしっかり残っているので、誰かがオサを狙ってここまで来ていることは間違いない。ちなみに滝見の途中目にした枝に醜い毛虫が1匹いたのだが、これが今回目にした唯一の昆虫となってしまった。おそらく今までの旅行で昆虫写真がいちまいもないというのは今回が初めてではなかろうか。
 滝の奥へ通じる唯一の道は薄暗く、いざ集落に着くと隔絶の感が漂う。こんなところでもおばあちゃんが洗濯物を干そうとしているところを見るととても不思議な感じがする。こんなところに住んでみたいな・・・
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